ディスクのコントローラとは、フラッシュメモリチップと接続端子の間でのみ読み込んだり、書き込んだりする機能のことを指す。また、集積回路の一種である。一般的なSSDのコントローラというのは、組み込みプロセッサと、ファームウェアの2つが装備されている。この2つの部品というのは、SSDの性能、および寿命を大きく左右するパーツといっても過言ではない。コントローラが実際に実行または処理するものには以下に挙げるものがある。エラーの訂正、ウェアレベリング、エラーブロックの管理、リード・ディスターブなど、不良モードの管理、リード・ライトキャッシング、ガベージコレクション、暗号化がある。こう見ると、数多くの処理を行っていることが見受けられる。この、SSDの性能というのは、デバイス内に備わっているNANDフラッシュチップが何個並列されているかに依存している。フラッシュチップ1個1個は低速である。

フラッシュメモリは、普通は複数個のメモリチップが使われている。そして、データを記憶する。しかし、コントローラチップと、フラッシュメモリチップのダイの使用が同じものであれば、他の要因でボトルネックに到達するまでは、同時にアクセスできるダイの実装数がより多い、大容量製品を使うことにより、より高速で早い処理が可能となってくる。2018年現在でいうと、SSD内部の記憶用半導体素子には、大記憶容量がある程度簡単に獲得することができる、NAND型フラッシュメモリが採用されている。HDDのように、ディスクを何枚も並べるといった構造を持たず、SSDは半導体のみから構成されている。そのため、SSDはHDDと比べると高集積化の技術的な余地が非常に大きい。今、3次元セル積層技術が注目を集めている。例を挙げると、東芝は、実装面積が、18mm×14mmの、容量は128GBのSSDを製作した。これはかなり小さいということがわかるであろうか。これを16個用いると、1.8インチ、つまり約4.5センチのHDDパッケージに2Tの用量を持つ製品を入れることが可能になるということである。SSDを遅いメモリとして利用すれば、非常に大きなメモリを必要とするプログラムも実用化が可能となる。

HDDよりもSSDは小さな体積で大容量にすることが可能である。2012年には、中央大学にて、ReRAMとNANDフラッシュメモリを組み合わせて、SSDのアーキテクチャを開発した。ReRAMは、フラッシュメモリより大幅にコスト面でネックであるが、読み書きがフラッシュメモリよりもかなり早い。そのため、キャッシュを用いることによって、SSD全体のスループットの向上が期待できる。SSDが高コストになってしまうのは、NAND型フラッシュメモリが原因である。このNAND型フラッシュメモリは、SSDのコストの約8割を占めている。このNAND型フラッシュメモリが安価に大量生産できるようになると、SSDの価格は一気に下がることが考えられる。今は、SLC型が採用されているが、MLC型に変えるだけでなく、TLC型やQLC型など、より多くの案が出ている。これらの違いというのは、電位の検出区分に違いがある。

まず、SLC型について書いていく。SLC型というのは、1つの記録阻止に1ビットのデータを保持するものを指す。ドライブがどれだけ蓄電されているか判断するのに、HiまたはLowの2つの値でのみ判断する。そのため、記録素子の劣化や、ノイズといった多少の誤差はそれほど重要ではない。また、他のメリットとして、書き換え可能な上限回数が多いことや、データの保存期間がある程度長いことが挙げられる。次に、MLC型について書いていく。MLC型は、1つの記録素子に対して、2ビット以上のデータを保持するものを指す。別名、多値NANDと呼ばれる。ドライブがどれだけ蓄電されているかを、HiとLowの2値だけを用いるのではなく、2つの間に何個かの中間値を用いる。それにより、4値や8値、16値と多くの値を設定することが可能になる。ここで問題となるのは、記録素子の劣化や、ノイズが入ることにより、蓄電電荷量に変化が起きると、保存していたデータが間違えてしまうといった点がある。